昔の新宿歌舞伎町(続)

watさんに「話がある」といわれて連れて行かれた場所が歌舞伎町。
その歌舞伎町で、何の店に入るかと思ったら、引き込みについていったwatさん。
案の定、ぼったぐりバーであったその店の、奥に個室につれていかれたwatさんとotata。
さあ、このあとどうなることやら...

そこは、長細い部屋で、丸い巣が5個ぐらい並んでおり、3人末あるのがやっとの部屋だった。
そこに一番奥には、とても貫禄がある年配の男性が座っている。
まあ、見た目1発で「やくざというやつです。
「で、あんた達は何しにこの店に来たの?」
妙にやさしい口調で話しかけてくる。
この辺は、とても慣れているアクターのようだった。

私は、所詮watさんのおごりだから...ということで、とても落ち着いていた。
おまけに、その歳は「暴力団新法」が発行された年である。
飲んでいたといはいえ、その辺の思考回路だけは来るっていなかった。
もし、思考回路がだめになっていたら、それはそれで、何にも考えられないので、別の意味で落ち着いていたでしょう。

そんなわけで、その場にいた私は、その私を第3者的に見手いる状態だった。

「社長、俺だって、こんなことになるなら、キャッチについてこないですよ〜」
watさん、粘ります。
「あんた、歌舞伎町で女の子つけて飲んで、1万で収まるわけないやろ?」
「あまいんとちゃうか?」

(うわー、こてこての大阪弁だ〜)
やはり、この手で落とすときは、大阪弁になるのでしょうか?
インパクトは強いと思うけど...

「で、あんさん、いったいいくらもってんの?正直に話してみ?」
「社長、一応俺3万持ってるけど、明日この金を振り込まないと、会社つぶれちゃうんですよ。なけなしの金ですよ?簡便してくださいよ〜」
「そんなこといってもな、あんた、ここでのんだやろ。それなりの金払うのが義理とちゃうん?」

とてもスローペースで話している社長。
その回答に、何とかごねるwatさん。
そのとき、まったく殺気のない小部屋の裏に立っていたヤンキーが吼える!!

「おう!!お前、兄貴が優しく話してればいい気になりやがって、なめてんと痛い目にあうで〜!!」
(ドカン)壁を殴る音。

(うわ〜...こてこてや...)
まるで、吉本のお笑いかなにかだと思った。
こんな状態なのに、酔っ払っているせいか、こみ上げてくるのは笑いのみ。
下を向いて、方を揺らす。
いろんなジェスチャーにみえるが、そのときの私の気持ちは、笑いをこらえるようなジャス茶ーだった。

「ほら、若いもんはこわがってるやないか。どうすんじゃ、社長さん?」
「そうはいっても、自分も家庭がありますから...」

いや〜ゴネルぜwatさん。まるで、慣れているような感じだ。
いや、これは慣れとしか思えない。

相手は出方を変えた。
「そっちの若い兄さん。いくらもっとるんじゃ?財布見せてみ?」
(ああ、こっちに振ってきやがった...しゃーねーな...)
私は、今も昔もそうだが、財布に金が入ってなくても、先輩から誘われればついていく性格だった。
もちろん、忘年会の会費を払った後の私の私の財布には、金なんて入っているはずもない。おまけに、はっきり行ってここで初公開なのだが、今のかあちゃんと付き合って3日目。そう、この年のクリスマスイブの日からかあちゃんと付き合い始めていた。
(この話、はっきり言って、誰にも話していない...)
この日も、実は1次会終わった後に会う約束をしていたのだが、watさんに誘われたということで、断っていたところだった。
かあちゃんが短期だったら、今は「ひろ」も「あいな」も生まれていないだろう。

それはさておき、殴られるのも屋だったので財布を見せる。
3,000円しか入っていない。
「いや、俺はさすがに帰りのタクシー代まで取るようなことはせえへんで。」
(ほっ、明日の朝飯代まで取られるところだった。)

しかし、よく見てる。さすがボッタグリバーである。
「現金は持っていないが、カードは持ってるの〜」
「家の店、カードも使えるんやで。カードだし..」

私に手を差し伸べる。
「いや、彼は私がさそったのですから、彼には手を出さないでください。」
「なんなら、私の住所も教えますので、そっちに音でとりにきてもらっても結構ですから!!紙と鉛筆貸してください!!」

おお、watさん、かっこいいんだけど、残念ながら、ここはボッタグリバー。
「追加で1万だします。これで簡便してください。」
「あんた、請求金額は7万やで。それで簡便とは、どないこっちゃ?」
「じゃ、1万5千円...」
なんじゃこりゃ、まるで「だるまの叩き売り」じゃん。
結局、客引きに1万、その店に2万払って開放された。

「ええか、今後歌舞伎町で飲むときには、もっとかねもってくるんやで。」
「おまえ、兄貴がええ人手よかったな〜。普通、こんなんじゃすまないで。」

「はい、面白い新喜劇を見せてもらいました。」
とは言えず、そのままその店をあとにした。
watさんと私は、その店の前の道を方を落として歩いていたが、その店が見えなくなったところで、お互い顔を上げて目を見合わせた。

「いや〜、ごめんね。やられちゃったね。」
「ああ、いい勉強になりました。笑いこらえるので必死でしたよ。」
「はははははははは....」
(やっぱりこの人なれてるわ...)

そんなこんなで、開放されました。
このときの話は、かあちゃんしっております。
何かのたびに、この話を出されて、
「私より、上司を採りやがった!!」
と怒られます。

しょうがないよ、俺は「ジャパニーズ・サラリーマンですから。」
ごめんよ、かあちゃん。

そしてその店。
年が明けて、新年会で歌舞伎町で飲んだとき、みにいったら、看板ごと店の名前が変わっていました。
歌舞伎町は、10年前そんなところでした。

先日久しぶりに行ったら、すごく人が少なかったですね。
だんだん、さびれていっているようです。
良いのか悪いのか...
時代の流れなのでしょうね。
2005/04/23(Sat) 21:45:15 | お仕事
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